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南アへの登山道を拓いた男 長衛

画像 南アルプスを女性が登れる山にしようと、奮闘した一人の男がいた。その男の名は「竹沢長衛(たけざわちょうえい)」。彼の願いは叶ったのか。

 「山はどこへもいきゃしねえ、天気がよくなったらまた来るさ。」
 「みんなは親にことわってきたか、ことわってきてねえなら明日けえれ」
 これは南アルプスの開拓者として一生を山にささげた竹沢長衛の含蓄に富む言葉である。

 伊那市観光パンフレットには、彼の功績の一端が紹介されている。
 竹沢は、明治22年に長谷村(現伊那市)に生まれ、14歳から山案内を始めた。南アルプスはアプローチが長く一般の人には近寄りがたい山であるが、女性にも登れる山にしたいと考えた。

 狩猟や山案内を生業とする傍ら、甲斐駒や仙丈の登山道や小屋整備に尽くした。そして、「俺が作った道があるだに、なんで岩を登っていかにゃならねえだ」と言う言葉を残している。

 「長衛(北沢)小屋」などを作り登山道を切り開き、彼の名前をとった「長衛谷」や「長衛沢」といった地名は今も残る。
 毎年7月、登山道開拓に尽力した長衛を偲んで、開山の時期合わせ長衛祭が伊那市と山梨県で行われている。

 長衛の努力により、南アルプスの仙丈ケ岳や甲斐駒ケ岳などへは、北沢峠からのルートがメインとなり、今では沢山の女性もこのルートを登っている。

 北沢峠へは、伊那市長谷の戸谷口から「南アルプス林道バス」が出ており、所要時間は1時間弱だ。始発に乗れば健脚者なら日帰り登山も可能となった。これも竹沢長衛のお陰というものでしょう。(N)


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