本日 2280 人 - 昨日 2487 人 - 累計 1831231 人 サイトマップ
  • 記事検索

RSS

山岳救助は消防か警察か

画像 「遭難救助ヘリのこと」のブログの疑問を検討してみようと思います。
 1月27日のブログでも取り上げましたが、山岳救助は誰が行うのか、非常に難しい問題だと思います。まず、ヘリコプターによる救助について考えてみましょう。

 長野県の消防防災ヘリコプター「アルプス」(写真左上)は、文字通り「消防」と「防災」のためのヘリコプターとなる。

 「消防」とは、もともと市町村の行う業務であるが、各市町村でヘリコプターを運用するには、とても経費がかかり負担が大変なので、それぞれの市町村が負担金を拠出し、県でヘリコプターを運用している。

 ということは、本来市町村が行う消防業務の延長線上にあるとも言える。だとすれば、消防防災ヘリは、消防本部が行っている「火災」、「救急」、「救助」ということになる。画像

 ここで問題となるのが「救助」だ。消防活動の救助は、建物からの救助、事故車両からの救助、河川湖沼での救助など、消防救助工作車の装備等で行える救助を想定している。また、行方不明者の捜索活動もある。
 
 この消防業務の「救助」等に該当すれば問題ないでしょう。ただし、消防が使用しているロープと登山に使用するロープは根本的違う。山のロープは、万が一の滑落時にショックを吸収する必要があるため伸びるように作られているが、消防のロープは伸びない。

 このように装備一つとっても、山で使用するものと消防が通常使用するものが違っている。山岳救助用の装備をどこまで準備できるかは、市町村の財政負担の問題とその装備を使って救助活動を行う隊員を養成しなくてはならないが、消防学校には山岳救助の訓練課程はないようだ。

 さて、前置きが長くなりましたが、長野県警察は現在3機のヘリを運用している。昨年、導入された「やまびこ2号」(写真右:県警HPより)は、大型の機体で高高度での安定性も高いようだ。ヘリには、日頃から訓練を受けた山岳救助隊員などが搭乗し地上へ降下して救助活動を行う。

 消防防災ヘリ「アルプス」は、「やまびこ2号」よりやや小型だが、消防や海保の主流であるイギリス製のベル412を使用している。当然高高度での飛行にも適している。ただ、警察へりとの違いは、救急医療ベットや救急用品・器具を備えていること。さらに、救急救命士が救助隊員として搭乗していることだ。

画像 また、長野県内にはドクターヘリ(写真左下)が2機運航されている。基地は、佐久総合病院と信大病院となっている。ドクターヘリは、操縦士のほかにドクターと看護師が搭乗し機内でも医療行為を行える装備を備えている。
 しかし、救助する者が搭乗していないため、消防との連携が必須となる。

 このようにそれぞれのヘリコプターとそれを運行する部隊には特徴があるが、岳沢小屋の支配人も言っているように、山岳での救助のウェートが大きい場合は警察が適しているのではないか。
 里山のようにどちらの部隊でも対応可能な場合は、どちらが先に要請を受けたか重要で、原則、先に要請を受けた部隊が対応することになると考えられる。

 救助事案が多発した場合や点検等で機体が使用できない場合は、日頃から、それぞれの部隊が連携し救助活動を行っているようだ。また、場合によっては、他県への応援要請や自衛隊の派遣要請もしているようだ。
 
 このように、一概にどこが行わなければいけないということはないようだが、当然、関係者間でどのように連携するかということは、日頃から確認できていると思います。

 我々登山者からすれば、救助要請はまず警察にするのが妥当でしょう。なぜならば、警察には山岳救助の訓練を受けた山岳救助隊という地上部隊とヘリコプターを備えている。そして、県警の管轄は県域であり、山の頂きや稜線は市町村の境界となっていることが多く、消防本部では管轄が問題になることもあるでしょう。
 それから、登山計画書は警察にも提出しますので、より迅速な対応をしてもらえるのではないでしょうか。

 いずれにしても、警察や消防の方にお世話にならないように、十分な準備と訓練、体作り、しっかりとした計画を立て登山しましょう。そして、天候、体調が悪い場合などは、勇気ある撤退ができるよう肝に銘じなければならないと思います。

 追記:本検討について、関係各方面のご意見ご忠告をご期待いたします。(N)


関連記事
H28.5地震活動及び火山活動の解説 (06月11日)
続報 長野県北部の地震 (11月24日)
東日本大震災に寄せて (03月11日)
「長野県神城断層地震」と命名 (11月26日)
信州の温泉客の孤立解消へ (01月30日)
このエントリーをはてなブックマークに追加 Check

前の記事 次の記事
COMMENT
まだコメントはありません。
name.. :記憶する
e-mail.. (必須)

画像認証
画像認証(表示されている文字列を入力してください):